ネット公開2010.01.06
新美術新聞に掲載された元原稿です。
2009年11月 新美術新聞 2009年12月11・21日合併号 7面
2009年の九州アート状況を振り返る
作り手の交流が新しい活動を作り出す
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原稿送付 2009.11.23
※写真クレジット
撮影:久保貴史
(C)別府現代芸術フェスティバル2009実行委員会
作家名:マイケル・リン
作品タイトル:別府 04.11-06.14.09
会場:別府国際観光港関西汽船のりば2階
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新美術新聞 2009.11.23「2009年の九州アート状況を振り返る」
宮本 初音(アート・コーディネーター、ART BASE 88/西天神芸術センター 代表)
2009年九州で注目を集めたのは、温泉で名高い大分県別府市でおこなわれた別府現代芸術フェスティバル2009「混浴温泉世界」(4/11-6/14)であった。美術作家・山出淳也が国際芸術祭を開催する目的でNPOを立ち上げ、数年がかりで実現にこぎつけた。レトロな市街地や湯けむりの温泉街など別府の特徴的な地域を会場に、現代美術・コンテンポラリーダンス・音楽ライブなどをおこない、会期中は延べ200人を超す芸術家が別府に集った。行政や企業と協働し、国際交流を進める活動力は、地方では稀なことである。今後3年ごとの大規模事業と毎年の小規模イベントが計画されている。
福岡では、この秋、福岡市美術館開館30周年記念「コレクション/コネクション」展(8/8-9/27)、福岡アジア美術館開館10周年記念「第4回福岡アジア美術トリエンナーレ2009」展(9/5-11/23)という二大記念展が開催され、同時期に福岡県立美術館で「大原美術館コレクション展」(10/10-11/29)、北九州国際ビエンナーレ2009「移民」(10/10-11/15)もあり、例年以上の「アートラッシュ」となった。にも関わらず、街全体をフェスティバル化できなかったのは美術館運営の状況が響いており、極めて残念な事態である。政府の事業仕分けの状況から今後さらに深刻になりかねない。
その一方で、各地で若手作家達を軸にした活動が目立ってきている。熊本の、再生された問屋街地区での「河原町アートの日」(毎月第2日曜開催)や、佐賀大学学生が商店街を舞台に企画した「呉福万博」(9/5-9/22)、長崎・波佐見町の陶器工場跡を使ったアートスペース「モンネポルト」などである。これらの活動に、前述の別府フェスに関わった若手作家らが絡んでおり、その波は九州内だけでなく全国的に連動しつつある。
作り手の交流が新しい活動を作り出す、九州のアートは新しい局面を迎えようとしている。
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